皆さんはラボグロウンダイヤを知ってますか?
ラボグロウンダイヤモンドとは近年、ジュエリー界で話題沸騰中の合成ダイヤモンドです。
今回はラボグロウンダイヤの特徴や天然ダイヤとの違いを徹底解説していきます。
ラボグロウンダイヤとは?
ラボグロウンダイヤモンドとは、人工的に研究所で作られたダイヤモンドのことです。
その1番の特徴は、見た目や輝きだけでなく、その成分や構成も天然ダイヤと全く同じということ。
「人工的なダイヤモンドは、大量生産できるから希少性が失われるのではないか?」と考える方もいると思いますが、
ラボグロウンダイヤも天然ダイヤ同様に、一つ一つに個性があり全く同じものは作ることができません。
なぜなら、ラボグロウンダイヤを育てる装置や成長環境は人間が作りますが、ダイヤの成長はダイヤの自発的なものなので私たちが完全にコントロールすることができないからです。
ラボグロウンダイヤの生成方法
ラボグロウンダイヤの作られ方は主に2種類あります。
高温高圧法(HPHT)
天然ダイヤモンドが生成される地中深くのマントルに近い環境を人工的に再現する方法です。
筒状の炭素に、5万5000気圧ほどの圧力と1400℃以上の高温をかけて生成します。
化学気相成長法(CVD)
薄くスライドしたダイヤモンドを種として、ダイヤモンドを層状に成長させる方法です。
1300℃ほどの高温が必要ですが、高い圧力は必要ありません。
不純物の種類と量を細かく制御できるので、純度の高いダイヤモンドの生成が可能です。
ラボグロウンダイヤが人気の理由
ラボグロウンダイヤは近年、世界中で人気が上昇中しています。
なんと、アメリカでは既にラボグロウンダイヤのシェア率が50%を超えています。
その人気の秘訣を4つ紹介します。
天然ダイヤモンドと同じ成分
ラボグロウンダイヤと天然ダイヤは、化学組成・結晶構造・物理的特性が全く同じです。
そのため、プロの鑑定士でも見分けることは困難で、高度な専門の機材を使って初めて見極めることができます。
また、ラボグロウンダイヤモンドは天然同様、GIAやIGIなどの世界的に信頼のおける鑑定機関でも正式に認定されており、おおよそ0.3カラットを超えるダイヤには鑑定書が発行されます。
さらに、ラボグロウンダイヤは不純物をほとんど含まない結晶でできています。
天然のダイヤモンドは長い年月をかけて地中で育つため、その過程で小さな異物が混入することがあります。
しかし、ラボグロウンダイヤモンドは人工的な環境で育つため遺物が入ることがないのです。
そう意味では、ラボグロウンダイヤは天然ダイヤよりも成分的に優れていると言えるかもしれません。
天然ダイヤモンドより安価
天然ダイヤは希少価値が高いため、高値で取引されています。
一方で、ラボグロウンダイヤは研究所で作られていて安定的に供給できるため、天然ダイヤの2分の1ほどの価格で提供されています。
紛争の資金源を減少
天然ダイヤでの売上は原産国のアフリカ周辺で勃発する紛争の資金源になる場合もあります。
一方で、ラボグロウンダイヤは研究所で作られるため、消費者は紛争フリーで論理的に生産されたダイヤモンドを選択することができます。
地球にやさしい
天然ダイヤを得るためには鉱山を発掘する必要があり、その過程で水域や土壌が汚染・荒廃されてしまうことが多々あります。
しかし、研究所で生成されるラボグロウンダイヤなら鉱山の発掘が不要のため環境への負担が少ないと言われています。
そのため、エマ・ワトソンやカミラ・メンデスなどの環境意識の高い海外セレブたちも積極的にラボグロウンダイヤをもにつける姿が目撃されています。
また、レオナルド・ディカプリオもダイヤに関わる社会問題に深い関心を示しており、2015年にラボグロウンダイヤの生産企業であるDiamond Foundryへ多額の投資を行いました。
「より安くダイヤを買う」意味とは?
ラボグロウンダイヤの話題となると必ず「ダイヤモンドは高価で希少であるから意味がある」という主張をする方がいます。しかし、果たして本当にそうなのでしょうか?
人々がダイヤをはじめとした高価な宝石を身につける理由はほとんどが「見栄」のためです。
だからこそハリーやヴァンクリのような有名ブランドが発売する天然ダイヤが、長年人々の憧れのジュエリーとして人気を博していました。
しかし、「見栄」という感情を取り除き客観的かつ論理的に考えれば、よりコスパ良く資産価値の高いダイヤを購入することが賢明な判断だと気づくはずです。
「ダイヤモンドを売却したけど想定よりも高くで売れなかった」という声をよく聞きます。
実際にダイヤのリセールバリュー(資産価値)は金やプラチナと比べて悪くなりがちです。
ダイヤモンドの買取金額は、「カラー」「クラリティ」「カット」「カラット」に左右されます。
しかし、通常皆さんが購入するダイヤのジュエリーには、ダイヤそのものの価値に加えて、人件費やデザイン費、ブランディングのための価格が追加されているからです。
資産価値やコスパを最優先に考えるなら、ブランドや天然かどうか、にとらわれずに「ダイヤモンドそのものの質」を基準に身につけるジュエリーを選択することが、次世代のセオリーになることは間違い無いです。